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(4) 情報通信ネットワークとデータの活用

情報I「データの活用」練習問題と解説

数学Iの「データの分析」と重なる分野なので、数学で習ったことがそのまま得点になります。情報I独自の急所は「相関関係があるからといって因果関係があるとは限らない」という一点。ここを言葉で説明できるようにしておけば、選択肢を切る速度が上がります。

1. 質的データと量的データ

分類や種類を表すのが質的データ(血液型、好きな教科、性別など)、数値で量を表すのが量的データ(身長、点数、時間など)です。量的データはさらに、目盛りの間隔に意味がある間隔尺度(温度、西暦)と、0が「まったくない」を意味し比にも意味がある比例尺度(身長、金額)に分かれます。データの種類によって使えるグラフや代表値が変わるため、最初の分類を誤ると以降がすべて崩れます。

2. 平均値・中央値・最頻値の使い分け

平均値はすべての値を足して個数で割った値で、極端な値(外れ値)の影響を強く受けます。中央値は小さい順に並べたときの真ん中の値で、外れ値の影響を受けにくい代表値です。最頻値は最も多く現れる値で、質的データにも使えます。「一部の人だけ極端に高い年収」のようなデータでは、平均値より中央値のほうが実感に近い、という説明が定番の記述解答になります。

例:5人の所持金 300, 400, 500, 600, 8000(円)

平均値 = (300+400+500+600+8000) ÷ 5 = 1,960円
中央値 = 小さい順の真ん中 = 500円
→ 平均値は 8000 という外れ値に引っぱられ、5人中4人が平均を下回る。「集団の真ん中」を示したいときは中央値が適切。

3. 箱ひげ図・四分位数・四分位範囲

箱ひげ図は五数要約(最小値・第1四分位数・中央値・第3四分位数・最大値)を1つの図で表したものです。箱の左端が第1四分位数、箱の中の線が中央値、右端が第3四分位数で、箱の長さが四分位範囲(IQR)= 第3四分位数 − 第1四分位数にあたります。箱の中には全体の約50%のデータが入ります。複数の集団を並べて「散らばりが大きいのはどちらか」「中央値が高いのはどちらか」を読み取らせる問題が頻出です。

例:9個のデータ 2, 4, 5, 7, 8, 10, 12, 15, 20 の五数要約

中央値(第2四分位数)= 5番目 = 8
第1四分位数 = 下半分 2,4,5,7 の中央 = (4+5)÷2 = 4.5
第3四分位数 = 上半分 10,12,15,20 の中央 = (12+15)÷2 = 13.5
四分位範囲 IQR = 13.5 − 4.5 = 9
→ 最小値2・最大値20 とあわせて五数要約が完成する。

4. 散布図・相関係数の読み取り

2つの量の関係を点で表したのが散布図です。右上がりに散らばっていれば正の相関、右下がりなら負の相関、はっきりした傾向がなければ相関がないといいます。強さを数値で表したのが相関係数で、−1以上1以下の値をとり、絶対値が1に近いほど直線的な関係が強いことを意味します。0に近ければ直線的な関係が弱い、ということであり、「関係がまったくない」とは限らない点(曲線的な関係は捉えられない)にも注意します。

5. 相関関係と因果関係のちがい【最頻出】

この分野で最も狙われるのがここです。2つの量が一緒に増減していても(相関があっても)、一方が他方の原因だとは限りません。両方を同時に動かしている別の要因(第三の変数・交絡因子)が隠れていることもあれば、まったくの偶然のこともあります。「相関があるので〜が原因といえる」と書かれた選択肢は、ほぼ確実に誤りだと考えて読みにいきましょう。

例:「アイスクリームの売上」と「水の事故の件数」には正の相関がある

では、アイスを売るのをやめれば事故は減るか? → 減らない。
実際には「気温が高い」という第三の要因が、アイスの売上と水遊びの機会をどちらも押し上げているだけ。
→ 相関は「一緒に動く」ことしか示さない。因果を主張するには、条件をそろえた比較(対照実験)などが必要。

6. データベース・データの収集と前処理

大量のデータを効率よく安全に管理する仕組みがデータベースで、これを操作するソフトウェアがDBMSです。表(行と列)の形でデータを扱う関係データベースが代表的で、複数人が同時に更新しても矛盾が起きないよう管理します。また、集めたままのデータには誤入力・欠損値・表記ゆれが含まれるため、分析の前に整えるデータクレンジング(前処理)が必要です。誰でも自由に使えるよう公開されたデータをオープンデータといいます。

練習問題(自作・全問無料)

問題をタップすると解答・解説が開きます。

① データ 3, 5, 6, 8, 9, 11, 14 の中央値と四分位範囲を求めよ。

解答:中央値は8(7個の真ん中=4番目)。下半分 3,5,6 の中央値である第1四分位数は5、上半分 9,11,14 の中央値である第3四分位数は11。よって四分位範囲は 11 − 5 = 6 です。

② ある調査で「読書時間」と「国語の成績」に正の相関が見られた。「読書をすれば国語の成績が上がる」と結論できるか。

解答:結論できません。相関関係は2つの量が一緒に変化することを示すだけで、因果関係を示しません。たとえば「もともと国語が得意で文章を読むのが苦にならない」という別の要因が、読書時間と成績の両方を高めている可能性があります。

③ 平均値ではなく中央値を代表値として使うほうが適切なのはどのような場合か。

解答:極端に大きい(小さい)外れ値がデータに含まれる場合です。平均値は外れ値に引っぱられて集団の実態からずれますが、中央値は順位で決まるため影響を受けにくく、集団の「真ん中」をよく表します。

④ 2つのクラスの点数を箱ひげ図で比べたところ、箱の長さがAクラスのほうが明らかに長かった。何が読み取れるか。

解答:Aクラスのほうが四分位範囲が大きい、すなわち点数の散らばりが大きいことが読み取れます。中央値の高低とは別の情報である点に注意が必要で、散らばりが大きくても中央値はBクラスより低いことも高いこともあります。

⑤ 相関係数が 0 に近いとき、「2つの量には何の関係もない」と言い切れるか。

解答:言い切れません。相関係数が表すのは直線的な関係の強さです。たとえばU字型のような曲線的な関係があっても相関係数は0に近くなることがあるため、必ず散布図の形もあわせて確認する必要があります。

⑥ 質的データと量的データの違いを、例を挙げて説明せよ。

解答:質的データは分類や種類を表すデータで、血液型や好きな教科などが例です。量的データは数値として量を表すデータで、身長や点数などが例です。平均値を計算できるのは量的データで、質的データでは最頻値などを用います。

⑦ アンケートを集計したところ、同じ学校名が「〇〇高校」「〇〇高等学校」と2通りで入力されていた。分析前に何をすべきか。

解答:表記ゆれを統一するデータクレンジング(前処理)を行います。そのままでは同一の学校が別々に集計され、件数が正しく求まりません。ほかにも欠損値の扱いを決める、明らかな入力ミスを修正するなどの前処理が必要です。

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